集合住宅

蛇の道はheavyだぜ

突然の出来事

今回からはカタカナ語の縛りはなしで書きます。


岡山旅行の帰り道、ラインの電話がかかってきた。それはいとこの兄ちゃんからだった。
何かあったときのために連絡先を交換していたのだが、電話がかかってきたのは今回が初めてだった。これはきっと大事な電話だろうと判断し、バス車内であったが出た。

「もしもし、雫?(私の仮名)
おじいちゃん、わかるやろ。亡くなった。」
彼はそう告げた。私は突然の報せに困惑した。何故なら祖父はずっと元気で、大病なども患っていなかったからだ。

おじいちゃんのお通夜に合わせて淡路に帰るなら、その時に隣の市にいる私を連れて帰って来いと私の父に言われたらしい。

連絡の後は、旅行帰りの弾んだ話から重い会話に変わった。鈴木は優しかった。私に気を使ってくれた。葬式に履いていく靴がないと言うと夜の10時まで開いている靴屋を一緒に探してくれた。

靴を買っているときも、ストッキングを買っているときも全然実感がなかった。
明日になって淡路の家に帰ったら確実に現実が待っていて、否応なしに知ることになるのだろうなと思うと、家に帰るのが億劫だった。

私は買い物の後家に戻ってから風呂に入り、いとこの兄ちゃんに何時に迎えに来てくれるのか確認を取った後、岡山旅行についての文章を書いた。明日になる前に、今日の楽しかったことをちゃんと記録しておきたいと思ったからだ。それに、書くことに熱中していれば他のことを考えなくても済む。