読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

集合住宅

蛇の道はheavyだぜ

コンビニ行脚いたずらの旅 1

なにか面白いことがしたい。この何も起こらない退屈な日々に何か変革を起こさなくてはならない。
リメンバー。思い起こせ。高校生のあの頃は、自分で面白いことを探していたではないか。隕石は燃え散る瞬間が最も美しいように、『衝動』している瞬間が最も私らしく美しい瞬間ではなかったか。
そういうわけでプロジェクトC(コンビニエンス)、開始。


スーパーのアルバイトの後、私は自転車を漕いでバイト先の近くのコンビニエンスストアに赴いた。
私はこつり、こつりと静かな靴音を立てながら店内を物色する。一回、二回と店内をぐるぐる回ったあと詰め替え用の柔軟剤を手にとり、レジへ赴く。
Pontaカードの有無を聞かれたあと、平静とさりげなさを装って言う。
『あっ、ストローつけてください』と。


私は以前から思っていた。
『コンビニで洗剤を買ったときに、ストローをつけろと言ったら、店員は「この人もしかして飲むんじゃないか」と期待するんじゃないか。そうすることで店員の想像力を掻き立てることが出来るんじゃないか。』と
これは私の6つのコンビニを巡る、行脚の旅である。


一件目、ローソン。接客してくれたのは私と同年代の20代の女性。化粧っ気が薄く、素朴な印象を受ける。彼女は普通にストローをつけてくれた。でも柔軟剤を見つめていたので、もしかしたら少し疑問に思ったかもしれない。

二件目、100円ローソン。猫用の缶詰めのキャットフードを一個レジに持っていき、『お箸をつけてください』と言った。店員は40代ぐらいの男性。髪質にくせがあるのかふわふわとしていて、前髪も長く、どこか清潔感に欠ける印象があった。
缶詰めを手に取ると特にその缶詰めを一瞥することもなくすみやかに袋に積めていた。あの缶詰めを猫用のものか人間のものかなど疑うこともない様子だった。レジが混雑しているのも関係していたと思う。

三件目、セブンイレブン。人はあまりいなかったし、バイトもその子しかいなかった。20代ぐらいの女の子で、とても眠そうにしている。アイプチのテープが見えていることもあって、彼女が疲労しているように見えた。
先ほど二件目ではあまり缶詰めを見ずに袋詰めされてしまっていたから学習して、缶詰めを一個ではなく二個買うことにした。同じ缶詰めだとリピート機能で、バーコードを読み込まなくてもレジの入力が出来てしまうので、あえて違う種類の猫缶を買う。
『お箸をつけてください』と言うと、バイトの女の子は
『何膳ご用意いたしましょうか』と聞いてくる。不意を突かれた。そんな質問をされるのは予想していなかった。彼女はあくまで接客の定型文を口に出しているのに過ぎないのだろうけど私は、
『この子は一体この猫缶を何人で食べることを想定して聞いているんだ?』と思うとおかしくなってしまった。笑いだしそうになるのを堪えて変な顔を しながら『い、一膳で…‥‥』と言う。次のコンビニへ。

続く