集合住宅

蛇の道はheavyだぜ

2014-01-01から1年間の記事一覧

図書館の記憶 2

学校の図書室は書籍の数も少ないし、小規模だし、借りに来る人も少ない。老朽化した床は歩いているとギシギシと軋むし、市立図書館のような美しさもない。だから入学当初はあまり魅力を感じなかった。しかし高校生になってから、学校の図書室にも魅力を感じ…

図書館の記憶 1

中学三年生から高校三年生の頃、市立図書館に足繁く通っていた。本を読むことが楽しかったから、というのも一つの理由だが、あの図書館が好きだったからだと思う。 家に持ち帰って本を読んでいるときよりも、借りる本をどれにしようかと探して回る時の方が心…

ヘドロのような日常を

クリスマスの日、私は浮かれたサンタ帽を被って、スーパーのレジのバイトを六時間やっていた。失われていく目の光。何で私こんなに働いているんだろう。 月曜日は5時間、火曜日も5時間。水曜日は休みで木曜日は6時間。そして金曜日は7時間。 当初の契約での…

人の好意を断れない病

例えばのお話です。ある日、あなたは大鍋でカレーを作りました。朝昼晩食べて三日分ぐらい持つでしょう。さて、そこにあなたの家の隣人が、今日中に食べなければならないようなナマモノを持って現れました。(一度冷凍して解凍されているので、冷凍庫には入れ…

今年のクリスマスイヴ

『私友達とクリスマスにホールケーキ食べるのと、大晦日一緒に友達と過ごして年越しするのが憧れなんだけど、どちらか実現できないかな』という文章をLINEで鈴木に送りました。 鈴木は『どちらも実現できます…』 という文章を返してきました。なんてイケメン…

初めてラーメン二郎に赴いた話

これは2014年8月27日の出来事である。その日私は東京にいた。八年程仲良くしている友人とのオフ会を目的に。 場所は東京の池袋。朝早くに夜行バスでたどり着いた。東京1日目。 関西にはラーメン二郎のインスパイア店は存在するが、『ラーメン二郎』と銘打っ…

starlight

冷たい空気と空気の間を切り裂いて、自転車で団地の急な坂を降りていく時、自らが流れ星になったような不思議な心地によくなった。冬はいつも空が澄んでいて、頭上には無数の星屑があった。 家までの路には街頭が少なく、住宅の明かりもまばらに灯っている。…

食べ物の魅力を伝える練習

先日、『かたの桜』という純米吟醸酒を買った。そのお酒の洋梨のような芳香と柔らかな甘さが素敵だった。 少量を口に含み、舌先で転がしていく。ふわふわ。洋梨が香る。アルコールも回る。 お酒に混じっている甘い香りを口のなかで弄びながら、こたつの温も…

成人式の前撮り

今日、成人式の前撮りに行ってきた。家族との写真も撮ってもらうため、わざわざ父と母も淡路島から出てきてくれた。撮影スタジオは梅田駅付近の某所。振袖は結婚すると着られなくなってしまうし、未婚女性であっても、30過ぎになって着ることは恥ずかしい。…

裸婦像にブラジャーを着けた話

学校の裸婦像にブラジャーをつけること。それはいつのまにか、私自身の宿願となっていた。 ブラジャー装着を"冬"に行うというのに拘りがあった。利点が二つあるからだ。普段池の周りは人気がなく、誰も近寄ってこない。もし裸婦像にブラジャーを着けても、誰…

裸婦像にブラジャーを着けた話 前置き

友人が私に言った。「学校の池の近くにある裸婦像に、ブラジャーをつけるのが私の積年の夢だ。」と。 私は面白そうだと思った。 高校二年の夏。日差しも強く、木々の葉も濃く生い茂る頃、私たちは裸婦像の元に駆けた。手には巻尺を持って。裸婦像の「トップ…

『サトちゃん』

あなたはサトちゃんを知っていますか。 サトちゃんムーバー: http://youtu.be/veVrk3pWjIc そう、こいつだ。ドラッグストアの店頭に置かれていて、金を入れると2~3分の前後運動を繰り返す象だ。しかも、物凄く耳に残るメロディーを大音量で流しながら動く。…

12月13日と12月14日の話

後でいつか読み返すことを想定して、ブログの記事をカテゴリー分けしてみた。『ごめんねー』は日記的な文章、つまり日常についてだらだら書いているもの。 『すなーおじゃなくって』は自分の好きなものや最近はまっているもの、考えだとかをだらだら書いてい…

書くのが少し楽しくなってきた

ネットカフェで読んだ『惡の華』が面白かった。主人公たちの苛烈な中学時代の中に、過去の自分を感じた。 そしてその苛烈な中学時代はあくまで一過性のもので、それが終わっても物語はまだ続くのだというところに、青春の本質が描かれているように思った。 …

ゆめちゃん

わたしが小学一年生の頃のことです。担任の先生に『ゆめちゃん』の作文を書いてくるように言われました。ゆめちゃんとはわたしが飼っているハムスターのことです。 わたしの小学校では毎年作文集が作られ、一学年に一人が代表で作文を書き、その冊子に記載さ…

ある少女 1

私は、誰よりも子どもらしい子どもだった。しかし、大人が求めている『子どもらしさ』とはまた違っていたように思う。 でも彼らが求めていた『子どもらしさ』っていい加減だ。落ち着いていてしっかりとしている子役の子どものことは『これは偽物だ』とみなす…

私の女の子らしさ 女々しさ 2

ある出来事が起きた。高校三年生の時のことである。受験が終わり、最終登校日も終わった頃、私は運転免許を取るため1ヶ月ほど徳島県にいた。 修了検定を何とか終わらせ、仮免許を取って数日後、三時間の高速教習があった。 高速教習では、教官と三人の生徒…

私の女の子らしさ 女々しさ

以前も述べたように、私は中学生の頃同級生の男子たちが嫌いだった。女子たち以上に陰湿だったし、場所も弁えずに下ネタを話している彼らを低俗だと心から蔑んでいた。 私は男子たちだけでなく、自分の『外』にいる女子たちのことも嫌いだった。 すぐ誰かの…

何も語れない

私には人に語れるような好きなものなんてないんじゃないかと思う。私はアニメが好きだけれど、特にそのアニメのイベントに行ったりもしなければ、円盤を買って制作会社に貢献したりもしない。 つまりアニメに対してお金を使わない。アニメに割いている時間は…

ブログについて

私はこのはてなブログを、あまりブログとして活用していない。リアルタイムの日常について書くのにずっとtwitterを使ってきたので、『今』のことを書く場所はもう事足りているからだ。だからここでは私は『今』のことを書かない。基本的に私は、投稿を何個か…

じめじめ

ネットが普及してから、一人暮らしの人は以前よりも寂しくないはずだと思う。一人でも別に孤独ではない。狭い部屋の中にいても、小さな端末を取り出せばどこへでも繋がることが出来る。 以前は私の通信媒体はスマホしかなかった。パソコンからインターネット…

12月3日

その日、水曜日なのに珍しくバイトがなかった。普段働いている時間が休みだとそわそわする。その日は、一人で有意義に過ごそうと決めた。もし、家にTSUTAYA DISCASからのDVDが届いていたら鑑賞し、まだ届いていなかったらネットカフェに行ってみようと決める…

生々しい話

中学生の頃、私は同じ学校の同学年のすべての男の子を嫌悪していた。 下の階のベランダで食事していた我々に対して、上の階のベランダにいる男子が意図的にものを落としてきたことがあって、実際に被害を受けたからだ。 確か落としてきたのは、チョークの粉…

好きなものは数珠つなぎ

たとえばの話私は最近Pizzicato Fiveにハマっている。東京は夜の七時を聴いたことで気に入り、三枚ほどアルバムを借りた。しかし私は以前まではPizzicato Fiveのことを名前すら知らなかった。知るきっかけになったのは、和田アキ子だった。高校生の一時期、…

ディスカス11月号

11月にTSUTAYA DISCASで借りた映画をまとめようと思う。 先にいっておくが、私は自他共に認めるネタバレクソ野郎だ。その物語をよかったと伝えるためにはネタバレせずにはいられない。だからもし見ていなくて、ネタバレを回避したい場合はスクロールして見な…

新商品に飛び付いては地雷を踏む日常

久しぶりに日常のことを書きます 新商品の食べ物に凄く魅力を感じてしまって、つい買わずにはいられない性質を持っている。私のようなタイプの人は多いのではないかと思う。 先日、三ツ矢サイダーの梅味の濃い版を買ったのだが、失敗だった。三ツ矢サイダー…

お葬式から私が思ったこと

お葬式というのは故人のためではなくて、遺族のためにあるものなのだと思った。 お葬式というのは、忙しい。やることがいっぱいある。 しかし、その忙しさを与えてくれることに、助かっているところがあるように思う。(逆に言えば、お葬式が終わって落ち着い…

火葬場

最近の霊柩車は、黒塗りの車に金ぴかのお寺みたいなのが乗ってるやつではないようだ。私の祖父は白いメルセデスベンツのリムジンに乗って颯爽と火葬場へ行っていた。 霊柩車がリムジンというのは私のケースだけではないようで、最近不幸があった友人も『私の…

告別式

告別式当日は隣保の人にも手伝ってもらいながら受付を行う。隣保の人は九時半に来ることになっている。もし親族より隣保の人が先に来るなんてことがあったら面目が立たない。朝早く起きて葬儀会場に向かう。 控え室に着くと、叔母の娘がいた。夜中の一時か二…

葬式前夜

お通夜は30分程で終わる。おじゅっさん(※ご住職の意)がお経を読み、参列者は焼香をしたり真言を繰ったりする。 (真言宗のお葬式であることや地域的な特色など、その点私にとって興味深かった。)その後は親族の控え室で、葬儀会社が用意してくれたオードブル…