集合住宅

蛇の道はheavyだぜ

食べ物の魅力を伝える練習

先日、『かたの桜』という純米吟醸酒を買った。そのお酒の洋梨のような芳香と柔らかな甘さが素敵だった。
少量を口に含み、舌先で転がしていく。ふわふわ。洋梨が香る。アルコールも回る。
お酒に混じっている甘い香りを口のなかで弄びながら、こたつの温もりと窓辺からの冷気を楽しみ、そして深くなっていく夜を楽しむ。
大人の階段を三段飛ばしで駆け上がったような、そんな心地になる。


てっちりにはあまりそそられない。なんであんなに高いのかと思ってしまう。
鍋にするなら、同じ白身魚あんこうの方が好きだ。河豚よりも値段がリーズナブルだし、身も美味しい。ゼラチン質で出来た皮の部分も好きだし、何より濃厚でクリーミーな味のするあん肝が美味しい。あんこうはどの部分も美味しい。それらを紅葉おろし入りのポン酢の海に沈めながら食べるのが好きなのだ。


しかし、てっさは高くてもいいから食べたくなる。
大皿に一枚一枚を花弁のように盛り付けられた美しい姿。身の透明さと薄さによって皿の色味が透けて見える。皿に箸を滑らせて取り、数枚を口に含む喜び。ぷるりとした食感。澄んだ味。白身魚の中で河豚の刺身がもっとも清純で透明な味がするように思う。

成人式の前日に、祖母がてっさをご馳走してくれるらしい。(しかも3年とらふぐやで!)実に楽しみだ。